どどめ色の真実

ジャンルばらばらの闇鍋ブログでございます。

【キコニア】キコニアの卵はどこにある?

  かつてコロンブスのたまごという、風船状のゴム袋に入ったアイスがあったそうな。うちの近所では恐竜のたまごという商品名でした。いざ思い出すと久しぶりに食べたくなるものです。

 今回は逸話の方の『コロンブスの卵』を例に挙げつつ、キコニア世界を読み解く上で必要な視点について語ります。

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※この記事には「キコニアのなく頃に Phase1」、および「なく頃にシリーズ」のネタバレが含まれます。

 

 

◆『なく頃にシリーズ』の大前提

コロンブスの卵』について

アメリカ大陸発見の偉業で有名なコロンブス。ある日、貴族のパーティに呼ばれた彼は、

「ただ西に行っただけなんだから、もしお前が大陸を見つけていなくても、その内他の誰かが見つけただろう。うちの国には優秀なのが揃ってるしな!」

といういちゃもんをつけられました。そんな彼は卵を用意して、

「この卵を素手以外何も使わず立てることができますか?」

と尋ねます。しかしその場にいる貴族の誰もそんなことはできませんでした。コロンブスは卵を机に打ち付け片側を潰すことで見事卵を立てることに成功しました。

 『コロンブスの卵』と呼ばれるこの逸話の教訓は、「誰にでも出来そうなことでも、最初にやってのけるのは難しい」。また、「分かってしまえば大したことはないけれど、それを思いつくは難しい」ということです。

卵の定義

「知ってしまえば簡単なのに、気付くのが難しい発想」、その物語を読み解くのに必要な視点。今までの『なく頃にシリーズ』では、そんな『コロンブスの卵』のようなものが存在しました。これはルールXYZ(惨劇のルール)ではなく、私たち読み手に必要な前提そのものです。上手い表現がみつからないので、ここではそれぞれ『××の卵』と呼ばせてもらいます。

 

◆今までの卵を振り返る

ひぐらしのなく頃に』の卵

ひぐらしの卵』は、語り部の視点が正しいとは限らない」

 例えば鬼隠し編魅音が圭一の為に用意したおはぎに裁縫針が入っていた、と圭一は語っています。たとえ冗談だとしてもこれは行き過ぎであり、なんの言い訳のしようもありません。でも実際は疑心に駆られた圭一がタバスコの辛さを針の痛みだと錯覚し、ありもしない針が存在するかのように感じただけでした。もし読み手側に「語り部の視点は絶対であり偽りがない」という意識があれば、ひぐらしの世界を読み解くことはできません。(=ルールX、雛見沢症候群とも近いのですが、読み手の前提としてなので少し異なります。)

 

うみねこのなく頃に』の卵

うみねこの卵』は、「主人公(探偵)以外の主張に嘘が混じるかもしれない」

 ep3でブラウン管裁判、猫箱の理論が出るまでは私たちが見せられる魔法について解釈の仕方が決まってはいませんでした。(黄金蝶の鱗粉に幻覚作用がある、など。)ましてや戦人(探偵)以外の視点に移った時嘘の描写がされるかもしれない、という前提を知らない内は、魔法やそれぞれの行動に整合性を持たせる為に見当違いの推理をしてしまいます。もし殺人事件を「老当主が人生の最期に行う生贄の儀式」という前提で組み立てると、金蔵は既に死亡しているという推理には行き着かず詰んでしまいます。(考え方次第でどうにかできるかもしれませんが、きりがないのでここでは割愛します。)

 

 『ひぐらしの卵』はうみねこの世界では通用せず、逆もまた然り。

 

◆『キコニアのなく頃に』に卵はあるのか

 さて、それでは『キコニアの卵』……読み手に必要な前提とは一体なんでしょうか。厄介なことに、前シリーズの『卵』はそれぞれ初期段階では明かされていません。(ひぐらしだと六話目の罪滅し編うみねこだとep3。)一番最初のPhase1で『キコニアの卵』を見つけることが出来たのならば、案外あっさりと物語を読み解けるのでは……。私はそう考えています。Phase1の難易度は上級。裏を返せば読者を煙に巻く為に『キコニアの卵』を駆使している可能性は大いにあります。

 『キコニアのなく頃に』は非常にややこしい物語です。登場人物それぞれが意味深な発言をし、何かを匂わせつつもぼかしてあります。一見終末思想組織の陰謀で世界が破滅へ突き進む、といったシンプルな話ですが、本当にそうなのでしょうか? 

 物語そのものが私たちを欺く為に構成されており、気づかない内に大切な何かを見落としているのではないでしょうか?

 それが何なのかはまだ分かりませんが……。

 

 私の目標は作者にぎゃふんと言わせること。出来るならPhase2が出るまでに『キコニアの卵』にあたる何かの見当をつけたいと思います。いえ、つけてみせます。

 

 それこそが読み手がプレイヤーの席に着くための一手だと信じて。