どどめ色の真実

ジャンルばらばらの闇鍋ブログでございます。

【DUCその19】アイゼルネ・ユングフラウについて語る

  ミステリーを穿つ青き楔、アイゼルネ・ユングフラウ

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  ドラちゃんの縦ロールの描き方が分からない。

 

 探偵であるヱリカの補助として呼び出された異端審問官三人衆。主任のドラノール・A・ノックスは文字通りノックスの十戒」の擬人化であり、概念そのものともいえます。六軒島にドラノールが登場できた、という時点で「魔女の殺人事件はノックスを意識して解けるようにしている」ということを示唆しています。

 ドラノール自身が言うように、ノックスは絶対ではありません。ヱリカのようにミステリーの世界を決めつけ断罪する為には使わないで欲しい、というのが彼女の願いです。ミステリーを読み解くときの助けとして使うのだとしたら、ドラノールは、ノックスの十戒は挑戦者の味方たりえるのです。

 

 ドラノールを補佐する二人もそれぞれ擬人化です。事象が依り代となった、いった方が正しいかもしれません。ガートルードは「絵羽が金蔵の書斎に挟んだレシート」、コーネリアは「ヱリカがサインをして扉を封印したガムテープ」という行動そのものです。

 本編ではさほど出番がありませんが、小冊子(のちにうみねこ翼に再掲)の「新人司祭コーネリア」にて異端審問官の日常と二人独自の話が語られています。ここでのコーネリアが可愛いのなんのって。こういう真面目すぎる新入社員いるよね~と言いたくなる、それでいて考えさせられる良作です。ガートルードのような庇いすぎず適度に寄り添う素敵な先輩になりたいものです。あと、天界大法院の描写がまるで日本のお役所な件について。竜騎士先生の元公務員経験が活きすぎています。

 

 一見無慈悲な断罪者ですが、ドラノール個人はどちらかといえば「か弱き真実を守りたい」意志が強いのでしょうね。ep5、ep6ではヱリカの味方をした一方、ep8では縁寿へ向けた黄金郷を守る為に戦いました。ノックスで切り捨てる力を持つ彼女だからこその基準なのかもしれません。かわいくてかっこいい。

 

 うみねこにおける「真実」とは、嘘偽りのない現実に即したもの、ではないのだろうと思います。真実と現実は似ているようで違う。そんなことを考えさせてくれるキャラクターです。