どどめ色の真実

ジャンルばらばらの闇鍋ブログでございます。

【DUCその20】ベアトリーチェについて語る

  黄金と無限を魅せ、魅せられた魔女、ベアトリーチェ

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 19番目だったら良かったんだけどね。

 

 主人公戦人と敵対する魔女……だったが本当の意味では真の主人公といえるのが、ベアトリーチェです。初登場はep1のお茶会ですが、epを進めるごとに全然印象が変わってくるのが特徴です。ep1、2が真犯人の書いたボトルメールだとすると、ep3以降の愛嬌ある姿は偽書作家八城十八の印象が多分に含まれているのかもしれません。

 

 ベルンカステル曰く、ベアトリーチェは「ルールの擬人化」そのものです。このルールの正体を「ベアトリーチェ=紗音=嘉音」と見ることもできますが、ep4で絵羽がベアトリーチェの名を継いだことを考えると、「六軒島爆発事故(事件)を起こす意志」の擬人化なのではと思います。

 

 ベアトリーチェに対する印象はプレイヤーによって180度変わるのではないでしょうか。彼女の動機は身勝手で不条理なものです。ep7での独白で納得できない人も多く、詳しく語られた漫画版ep8でも共感できない人も少なくはありません。

 私はep7のクレルの話で納得した側の人間です。人が人を殺す時、傍目には理不尽でも本人が自己完結してしまえば十分動機になり得ると思うからです。ただし許容している訳ではありません。同情はするけれどどんな理由があろうと殺人をしてしまった時点でダメなんだろうなあ、と思います。

 

 真犯人についてよく夢見がち、メンヘラだの散々なことを言われていますが、私が最初に抱いた感想は全く別でした。ep7クレルの告白を聞き、安田に対して抱いた印象は……真面目なリアリスト、でした。そもそも妄想癖とロマンチズムはまた別物だと思います。

 孤児として育ち交友関係にも恵まれなかった安田は歳不相応に大人びていました。実年齢が+3という事を差し引いても、その時その時を懸命に生きていました。だからこそ、苦労知らずのボンボンだった頃の戦人の言葉を真に受けた。どちらが悪いという訳でもなく、よくある誤解。本当に夢見がちならそれに縋り続けたことでしょう。

 自分の出生の秘密や右代宮の近親愛に悩まされた時、最後の最後で縋ったのが一度は妥協したはずの戦人との絆。なのに事件を解かせる気は殆どなく、ボトルメールの世界で夢を見るだけ。

 

 魔法を否定してしまえば、想いを遂げられず全てを胸の内に秘めて命を落とした哀れな使用人がいるだけです。しかし、魔法を肯定できたのなら。想いはボトルメールによって求めた人へと届き、死した魂は救われたことになります。

 

 酷い言い方ではありますが、ベアトリーチェと言う人は「かわいそうな人」だったのでしょう。境遇云々以上に、本人の心が。