どどめ色の真実

ジャンルばらばらの闇鍋ブログでございます。

【ひぐらし業】その4・歌詞でメタ推理

 誰かのせいにすれば 楽に生きられるから

 私いつも 被害者だけ演じては 泣いていたよ

         ――『誓い』/島みやえい子 より

 

  『なく頃にシリーズ』では主題歌の歌詞がストーリーを暗示している、なんてことが稀によくあるよね。という訳で今回は業OP『I believe what you said』の意味を読み解こうと思う。私はこの歌は「沙都子の心境」だと考えています。一番は「五年後世界で起こったこと」、二番は「業の雛見沢」。

 想像に想像を重ねて作った妄想物語、はじまりはじまり~。

 

 静かに震わせる空気 意味深な沈黙

 光の歪曲が満ちて 失ったロジック

 →現在沙都子は梨花が自殺する場面に居合わせていますので、あらん限りの妄想力を駆使して想像してください。沙都子が必死になって説得しても梨花は無言。

 そして梨花の内面について。百年の果てに辿り着いた、未来への光がある世界。しかし背負った業が邪魔をしてそれを投げ出そうとしている。(業については「その1・古手梨花犯人説」を読んでください。)

 I believe what you said

 戻りたい場所 明確な景色

 あの子が欲しいと あざ笑った

→ようやく沙都子に言葉を返す梨花。その内容は「俯瞰的立場から全てを知ることができた頃(景色が明確)」、「惨劇の起きていた原作世界(戻りたい場所)」を望むもの。当然沙都子には何のことだかわからない。*1

 かつて自分が抱えた苦悩を理解できない沙都子を嘲笑い、梨花は「欲しい」と言って命を投げ出す。

 「あの子が欲しい、とあざ笑った」ではなく「あの子が、欲しいとあざ笑った」

 ずっとキミの喜びも ずっとキミの涙さえも

 誰より身近な距離で 感じた記憶

 →沙都子にとって梨花は一番近くにいた親友。共に笑い共に泣き、梨花の気持ちを理解していると思っていた沙都子にとって、梨花が最後に遺した言葉は「お前は何も理解していない」と言われたも同然。他者から見れば沙都子の責任ではないけれど、本人は止められなかった自分を責め続ける。

 たった一つその答え 探してた扉が今

 ゆっくりと開かれた その先には

 眩しい光に 包まれてゆく 全ての真実

→「梨花が自殺に至った理由」を理解したい沙都子。羽入は自分がかつて与えた力(ループ)が原因で自殺した梨花に「ただ一つの命を生きる」気持ちを取り戻させるため沙都子に協力を仰ぐ。沙都子にとっては「動機」を理解する絶好のチャンス。

 この時点で梨花の精神は「業の雛見沢」にいる。(その辺は「その2・ハリボテ雛見沢」で。)五年後世界の梨花の肉体は死亡しているか、あるいは意識不明状態。

 こうして沙都子は羽入の巫女として「業の雛見沢」へ行くことになった。

 

 小さなほころびはやがて 偽りへ誘う

 幾重に繰り返す狂気 閉ざされたリフレイン

→皆様毎度お馴染み、少しのすれ違いが誤解を生み狂気に走る五年目の惨劇。巫女となった沙都子は死のループにより過去の梨花追体験する。

 I believe what you said

 目を覚ます頃 描かれた絵空

 祭りは静かに 始まった

→ハリボテのような「業の雛見沢」の世界で、死んでも数日前に戻って目覚める。それは他でもない沙都子が望んだこと。沙都子の頑張り物語(祭り)は静かに始まる。

 もっとキミを知りたくて もっとキミを追いかけてた

 不自然な素振りもなく 交わした言葉

→かつての自分を演じながら梨花の傍でその気持ちを探る。元凶が梨花なので本心を知られてはいけない。「業の雛見沢」は梨花の精神を反映しているので惨劇を防ぐことも目的。多分。

 この広い空さえも 作られた張りぼてなら

 ゆっくりと消えてゆく この痛みも

 まるで麻酔のように 堕ちる意識が 全てを始める

梨花には罪があるので死ぬときに痛みが伴う。そうでない沙都子はかつての梨花のように痛みのないループを繰り返す。それでも心は痛むけれど、この世界が梨花の精神なのだとしたら痛みに耐えられる。

 

 あとは繰り返しなので省略。

 「ひぐらしのなく頃に業」の真の主人公は圭一でも梨花でもなく、沙都子でした。という前提を軸にしているんだけど、どうでしょう。結構綺麗に収まるし、罪の意識の方向性も『なく頃にシリーズ』主人公っぽい感じだと思わない?

 最後にひとつ。題名及び歌詞の一部である「I believe what you said」。これは世界の誰も本当の自分を理解できないと思い詰めた梨花に対して、沙都子が投げかけた言葉なのかも。私は信じる。だからあなたも私を信じてという意味を込めて。

*1:あと多分、雛見沢と仲間を否定する言葉を吐いてる。自分の居場所はこの世界にない、的な。